鶴木次郎のブログ はてなブログver

主にBlogger での同名ブログのコピペにて作成しています。

ウナギについて・・

A「どうも、その後お元気ですか?」

B「ああ、最近少し元気になったよ。そういえば今年君はうなぎを食べたかい?」

A「いえ、残念ながらまだです。しかしつい先日あなごの天丼を食べました。」

B「君、うなぎとあなごは大分違うだろう・・。」

A「ええ、まあ、そうなのですが、うなぎは英語でeelですよね。
そしてあなごはconger eelと云います。
ですから英語圏の感覚ではあなごはうなぎの一種であると考えられているようです。その様な理由で先ほどの様な言動になりました・・。」

B「ふうーん、それは初耳だね。
それで、そのcongerとはどういう意味なのかね?」

A「辞書で調べてみたのですが、どうやらcongerだけであなごの意味がありましたが、多分語源的に密集、凝集とかいう意味があるのではないかと思います。
頭にconが付く単語は、そういう意味のものが多いのですが、これはあなごが海底で密集して突き出てユラユラしているところから、そういう名前が付いたのではないかと思います。

B「ほう、なるほど!それは何だか合っている気がするよ。うん、多分合っていると思うよ。
そういえば、向こうの動物の名前の付け方も我々からすると妙に面白いのがあるよね。A君ドイツ語でコウモリって何ていうか知っているかね?
「Fledermaus」フレーダーマウスというのだけれど、これは直訳すると「飛びネズミ」ってなるけれど、顔は確かに似ているからね「なるほどねえ!」ってなるよ。
そういえば後の方のヨハン・シュトラウスのオペラで同じ題名のがあったよね?」

A「ええ、このオペラの序曲は有名で、確か数年前に購入した並行輸入版CDのワルツ・ポルカ名曲集でこの題名を見たと記憶しています。
そういえば、南アフリカ出身でイギリスの作家のローレンス・ヴァン・デル・ポストが作品の中で日本人の神々のことを飢えたコウモリの様であると記していました。
この作品はBさん既に御承知とは思いますが、大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」の原作にもなっています。
我々日本人からしたら、あまり嬉しい譬えではありませんが、あの当時の状況、経験からは仕方ないのかもしれません。
また、現代だって果たしてそこから良い方向に変化したかどうか分かったものではないと思うこともあります・・。」

B「うん、そういうことは考え出したらキリがないからね。しかし、それでも考え続けなければならないところが難しいところなんだろうね・・卑屈になっても、開き直っても、それ一辺倒を続けると、どうもダメなんだろうね我々日本人は・・しかし、ここらへんは君、色々な意味でイソップ童話のこうもりの話を少し髣髴とさせるね・・(笑)。」

A「ええ、それは仰る通りであると思います。そしてそこに人文社会科学系学問全般の重要な存在意義があるのではないかと思います・・。」

B「うん、そうだね。そういえば話はうなぎに戻るけれど、君はうなぎの名産地に住んでいたわけだけれど、実際あっちのうなぎはどうだったのかね?」

A「たしかに鹿児島はうなぎの名産地ですが、それでもどちらかと云えばごちそうの部類ですから、在住期間中一度しか食べたことがありません。
それで、少しお持ちください、今当時書いた日記で、うなぎを食べた日付、感想を見てみます。」

B「君、そんなことを日記に書いているのかね?!」

A「いえ、あの当時はなんと云いますか過緊張か何かで少しおかしくなっていた様で・・そんなことをしていた様です(日記の頁をめくりながら)。
あ!ありました。うなぎを食べたのは2013年8月4日の日曜日の昼頃ですね。食べたのは天文館にある有名なお店で、うな丼の松竹梅の竹です。感想はこう書いています。いいですか・・「鹿児島のうなぎは関東で食べるものと若干異なるようである。具体的には、身の締まり方が違う様に思われる。関東で食べるうなぎの方がうなぎの身の締まり方が少し固い様に思われる。これは調理、処理の仕方によるものであろうか?しかし味は大変良かった。久しぶりに美味しいものを食べた。」まあ、こんな感じです(笑)。」

B「どうやら向こうのうなぎも美味しい様だね。あと西郷隆盛もうなぎが大好物だったらしいね、そういえば当時も調理法は蒲焼もしくは白焼きが主流だったのかね?」

A「詳しいことはわかりませんが、蒲焼は平賀源内の18世紀後半には、もうある程度一般的であったのではないでしょうか?
しかしそれ以前は、うなぎをぶつ切りにして棒を挿して、きりたんぽみたいにして焼いて食べていたらしいですよ。
昔読んだ本でその様に書いてあったと記憶しております。
あと、蒲焼の処理法では関東はうなぎの背から割いて、関西は腹から割くというのは割合有名な話ですよね。
あとは蒸しの有無ですかね。
あ!もしかしたら日記に書いてあるうなぎの身の固さはこれに関係しているのかもしれないです・・。
それはともかく、西日本にある程度の期間住んでいると分かるのですが、あちらは長い魚一般がよく獲れるのか分かりませんが、それらを好んで食べます。
南紀や高知ではうつぼをすき焼きみたいにして食べますが、これは脂の乗った白身で、とても美味しかったです。
また、瀬戸内では鱧で有名ですし、あと和歌山県のみかんで有名な有田市は太刀魚の漁獲量が全国的に多いそうです。
有田川の橋の横に大きな太刀魚の看板があるくらいですから。
ともあれ、他にも多分色々あると思いますが、西日本は東日本よりも食用にされる長い魚の種類、量が多いのではないかと思います。まあ、あくまでも感覚的な話ではありますけれども・・。」

B「うん、周囲の海の環境が違うから獲れる魚の種類が東西日本で違うのだろうけれど、同時に同じ種類の魚でも味が違うような気がするよ。
私も**に数年住んでいたけれども、あそこで食べた魚は大抵関東で食べた同じ調理法のものより美味しかったな・・。
まあ関東でもある程度の金額を払えばあちらと同程度のものを食べられるのだろうけれど、その日常性での質でいったら、あちらの方に軍配が上がるね。
ところで太刀魚を私はあまり食べたことがないけれど美味しいのかね?」

A「ええ、太刀魚はみりん干し、御造り等で食べたことがあります。御造りは白身と青魚の中間の様であり身はコリコリして淡白で、もみじおろし、ポン酢で食べましたが、とても美味しかったです。
また、みりん干しは多分あちらの普段の朝食に出て来るような感じのものですがこれも独特の風味とみりんの甘みが調和して美味しかったです。
あと太刀魚は長崎県でも漁獲量が多く、また、海の向こうの韓国でもよく食べるようです。
釜山に行った時に海岸、岸壁近くの屋台が並んでいるところで干物の様に開いて干してある大量の太刀魚を見た記憶があります。ちなみに韓国で太刀魚はカルチと云いまして、カルは刃物、刀とかいった意味で、チは多分魚を意味します。ですから、これを直訳すると日本の太刀魚と同じになります。あと「カル」とは古代の日本語でも刃物、刀といった意味があったと確か金関丈夫の本に書いてありました。」

B「なるほど、しかしそれを英語にするとSwordfishでカジキマグロになるから、あっちの文化とは太刀魚に関してはどうも違うようだね。」

A「ええ、どうもその様です。」