鶴木次郎のブログ はてなブログver

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文体について・・

A「先日教えて頂いた森見登美彦の「恋文の技術」読んでみましたが大変面白かったです。
同著者の「太陽の塔」は以前読み、それとはまた若干感じが違いましたが、これはこれで大変面白かったです。
どうもありがとうございます。」

B「ああ、読まれましたか、あの著作はその後、親戚にも勧めてみましたがそこでも好評でした。
あの著者の文体はまた独特で、何か引き込まれますよね(笑)。」

A「ええ、「太陽の塔」を読んでいますと和歌山在住時のことが昨日のことのように想起されましたが、あれも不思議な感覚でした。
ともあれ、あの「太陽の塔」は「恋文の技術」に比べて、わざとそうした硬い文体にしているのかわかりませんが、あれは何やら理系の論文を彷彿とさせますね・・。
そしてこれと類似した著作を挙げるとすれば北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」などがそうであるかもしれません・・。
あ!そういえば北杜夫といえば、先日おすすめしました「どくとるマンボウ医局記」は読まれましたか?」

B「うーん、たしかに森見登美彦氏の文体は理系的な感じがしますね。
また同時にそれは、いくつかの北杜夫著作にもそうした傾向が認められますね・・。
あと医局記は少し前に読みましたが、文系の研究室とはまた大分違うようですね、もっとも時代も違いますが・・。
ともあれ、著者が専攻した学問分野とは、その文体にある程度影響するのかもしれませんね・・。
しかしそうすると私などは一体どうなるのでしょうかね・・?」

A「うーん・・・色々な学問分野を渡り歩いた私からいわせていただきますと、文系の文体は全体的に直線的でなく、また、その本質、本音を匂わせる程度であったり、後の注釈などを読み、はじめてその意味がわかったりすることが割合多くあると思います。
ですから一般的には多少わかりにくく、あるいはそれは読者に考えさせることを狙っているのではないかと思うこともあります・・。
その点理系の場合、その直接的な始原が西欧にあるためか、文体が直線的であり、起承転結いや、緒言、材料と方法、結果そして考察といった具合に、型らしきものが確立されていますので、文章、文体もどちらかというと、より純粋に情報伝達の為の道具として見做しているような感じを受けます。
私個人としては、どちらも一長一短であるとは思いますが、ただ私は根がせっかちであるためか、文体に関しては理系の方が読みやすいような気がしますね・・。
そうしますと、これは以前ブログにて書いたかもしれませんが、私個人の好みとは、理系の文体で書かれた文系の内容の著作ということになりますかね・・(笑)。」

B「なるほど、その見解はいかにもAさんらしいですね(笑)。
ただ、理系を非難するわけではないですが、理系分野に多く見られるあの断言的な言い回しの文体とは、盲目的に信じさせるような要素、つまり何といいますか、そこに酒精的なものが多くに含まれているのではないかと思うのです・・。
しかし考えてみますと、そうした要素の起源とは、西洋科学が流入した近代以降特有のものでもなく、実は近代以前の漢文的なものともかなり親和性があるのではないかと最近不図思いつきました・・。
またそれ故にこそ、明治初期に漢学的素養を持った人間の多くが割合スンナリと洋学つまり西洋科学に移行、移植できたのではないかと思います。」

A「・・なるほど、たしかにそういった要素は少なからずあると思います。
現在ではもうおそらく絶滅種でしょうが、戦前などは漢詩を作り、ドイツ語でカルテを書くような医者も割合多くいましたからね・・。
まあそれは医者に限らず戦前の国産インテリゲンチャと言われるような連中とは、多少のブレはあっても大体そのような感じであったのではないかと思います。」

B「しかしそう考えますと、教育のための有用な道具立ては現在の方が余程進化しているはずなのに、何故そうした我が国の和洋並存の伝統は現在閑却・・あるいは滅却されてしまったのでしょうかね・・?」

A「・・ううむ、端的にいいますと、それは太平洋戦争に負けてしまったからではないでしょうか?
しかし、そうした戦後現代を含む近代以降の学問的伝統の閑却の程度、度合いとは、私の経験に照らして考えてみますと、地方による偏差が大きいのではないかと思います・・。
北海道を含む東北日本に関しては実体験がないのでよくわかりませんが、少なくとも西日本、特に九州などは、そういった要素が特に意識されないような自然な形で継続して現在なお生きているのではないかと思います・・。」

B「西日本ですか・・ええ、たしかに近畿、関西圏はなんといいますか伝統全般が自然な形で残されていると思いますからね・・。
それにノーベル賞などの世界的な賞で認められるのは首都圏などよりも近畿、関西圏に出自を持つ方々が多いですからね、やはりそういった傾向は何かしらあると思います・・(笑)。」

A「・・ううむ、一応首都圏出身の私からすれば、関西人らしい憎まれ口ともとれますが、同時にそれは特に間違ってもいないと思います・・(苦笑)。
しかし、そこで九州を近畿、関西圏の延長として考えますと、当てはまる部分もあるのですが、同時に違うと思われる部分も多くあるように思われるのです・・。」

B「九州ですか・・それは私よりAさんの方がよく御存知であると思いますので、今後更に深められてはいかがでしょうか?」

A「ええ現在行っている求職活動も九州を含む主に西日本を対象として行っておりますが、今後の展開は未だよくわかりませんねえ・・(苦笑)。
ともあれ、また何か進展等がありましたら御連絡します。」

B「ええ、そうですね。
朗報を期待しています。」