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書店新刊本コーナーにて思ったコト・・

先日駅近くの書店に立ち寄りましたら、ベストセラーのコーナーにカエルを登場人物とした物語風の作品が並んでおりました。
そこで、その作品に興味をひかれ少し読んでみました。

ほんの少し読んだだけですが、この作品を読むのであれば、特に若く瑞々しい知性を持った方々にはトーマス・マンの「魔の山」、ニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」、セルバンテスの「ドン・キホーテ」あるいは大西巨人の「神聖喜劇」、野上弥栄子の「迷路」あたりを読んでみた方が面白いのではないかと思いますが如何でしょうか?

さて、さきほどのカエルの物語とは思想と現実の政治の間に生じる出来事を扱っていると思います。

そして、そういったものとは、殆ど多くの場合、そこまで簡単に描くことのできるものではないかと思います。

その意味で、この作品とは、はじめから結論(正当とされる政治思想)ありきといった感じが強く、また、それに加えて、登場するカエル達の名前がどこかで聞いたことのあるような横文字風の名前がついていることに対し「どうもウケる層、読者層をピンポイントで定めているのではないか?」といった感を多少覚えました・・。

こうした物語で横文字感覚のオシャレ感を漂わせるのは、私個人としてはどうも違和感をおぼえてしまいます・・。

また、こうした物語としては、竹山道雄の「ビルマの竪琴」の方が良いのではないかと思いますが、如何でしょうか?

加えて、加藤周一の「羊の歌」、大岡昇平の「俘虜記」、会田雄次の「アーロン収容所」などもそうした物語ではありませんが、今の時代であるからこそ、それらの作品が訴えかけるものを明瞭に感じとることが出来るのかもしれません・・。

また、防御、防衛といったコトバにより隠されながらも他者に対する攻撃性を基底に湛えた思想とは、あまり長く続けることが出来るような、持続可能性を持ったものではないように思われます。
特に我々日本人の場合、なおさらそうであるのではないかと思います。

ここまで興味を持って読んでくださった皆様、どうもありがとうございます。 

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お蔭さまです。

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